GUIDANCE診療案内

「身体の具合が悪い」と気持ちまで落ち込んでしまいます。
また逆にストレスや辛いことが続くと、身体のあちこちに不具合が生じます。
身体と心は表裏一体です。
そのどちらにも気を配り、親切丁寧に診察することを常に心がけております。


心療内科

パニック障害/社会不安障害・不眠症、うつ病、そう鬱病 他

身体の不調を感じて、いろいろな検査をしたのに何故か「異常無し」。辛さ・苦しみ・悩みは増すばかり…。
そのような方はどうぞご相談ください。

うつ病

主な症状
  • 眠れない、いくら寝ても寝た気がせず、12時間以上寝てしまう。
  • 仕事や学校に行けない。家事ができない。
  • 新聞や本が読めない。
  • 突然悲しくなり、涙が出る。
  • 些細な事でぶち切れて他人を酷く責めてしまう。
  • 大好きだった趣味にも興味が持てない。
  • 眠れない日が長く続く。

ほとんど毎日の抑うつ気分,興味・喜びの著しい減退などにより日常生活に何らかの支障を生じている状態が2週間以上続く場合に“うつ病”が疑われます。

薬物療法

主に抗うつ薬の内服による治療を行います。過度な不安感や睡眠障害が伴う方には抗不安薬や睡眠薬を併用し治療してきます。
うつ病はお薬を数日飲めば治るということはほとんどありません。うつ病の治療は前進後退を繰り返しながら経過をたどることが多く、長期にわたって内服が必要になります。(個人差があります)
お薬は患者さまの状態にあわせて選択します。少量から開始し、症状の変化や副作用の有無を経過観察しながら量を調整していきます。

休養

うつ病の治療には心身の休養をとることが一番重要です。
仕事や学校などの社会生活から一度離れて自宅で過ごす(休職や休学)、仕事量を減らすなどの治療のための環境調整についても患者さまと相談しながら決めていきます。
症状が軽く、患者さま自身がご希望であれば会社や学校に通いながらでも治療ができます。

精神療法

診察時に医師と話をしながら、心の問題を見直して整理をしたり、うつ病を良くするための適切な生活習慣や物事の考え方について一緒に考えていきます。

双極性障害

主な症状
  • 気持ちが憂うつで落ち込む状態と極端に調子が良くなって活動的になる状態を繰り返す。(気分の波の上下が大きい)
  • 気分が高揚し、上機嫌になる一方で些細なことで怒り易くなることがある。
  • 徹夜をしたり、普段より睡眠時間が短くても元気なことがある。
  • 話したい気持ちが抑えられず、普段よりも長く話続けてしまうことがある。
  • 考えやアイデアが次々と浮かび、まとまらないことがある。
  • 収入に合わない高額なものを購入してしまう,異性関係を多く持ってしまう,周囲の人の行動などが気になり過度に干渉してしまう,などやりたいことへの衝動を抑えられないことがある。

気分が高揚し、極度に活動的になる躁状態と、躁状態ほどではないが病的にテンションが上がる軽躁状態、憂うつで無気力なうつ状態の3つの症状を繰り返し、その間に落ち着いた寛解状態が続きます。
いつも症状があるというわけではなく、いわゆる普通の状態があることが特徴です。
双極性障害は症状の波が「躁⇔うつ」の状態を繰り返すため、日常生活の工夫をして、つき合うことが必要な慢性の病気です。

薬物療法

主には、気分安定薬(気分の上下幅を抑える薬),抗てんかん薬,抗精神病薬(統合失調症の治療薬)などで治療を行います。うつ症状が強い場合には抗うつ薬を用います。過度な不安感や睡眠障害が伴う方には抗不安薬や睡眠薬を併用し治療してきます。

気分安定薬
気分の上下幅を抑えるお薬です。
抗てんかん薬
てんかんの治療に用いられるお薬です。
種類によって躁状態に効果を示すものとうつ状態に効果を示すものがあります。
抗精神病薬
統合失調症の治療に用いられるお薬です。
種類によって躁状態に効果を示すもの、うつ状態に効果を示すもの,両方の状態に効果を示すものがあります。

双極性障害は躁状態の時、うつ状態の時、症状が安定している時、それぞれの時期においてお薬の内容や量が異なります。症状が多様であることから特にお薬の使い分けが難しいため、医師とよく相談しながら治療を進めます。お薬は患者さまの状態にあわせて選択します。少量から開始し、症状の変化や副作用の有無を経過観察しながら量を調整していきます。
双極性障害は再発が度々みられる病気のため、症状が落ち着いても再発予防のために内服を継続する必要があります。

休養

特にうつ状態になると動くことさえも億劫になり、日常・社会生活に影響を与えるため心身の休養をとることが一番重要です。仕事や学校などの社会生活から一度離れて自宅で過ごす(休職や休学)、仕事量を減らすなどの治療のための環境調整についても患者さまと相談しながら決めていきます。
症状が軽く、患者さま自身がご希望であれば会社や学校に通いながらでも治療ができます。

精神療法

診察時に医師と話をしながら、心の問題を見直して整理をしたり、双極性障害を良くするための適切な生活習慣や物事の考え方について一緒に考えていきます。
また、躁状態が社会的な逸脱を引き起こす場合もあります。そのような事態を防ぐために躁状態になったときの初期徴候や行動・気持ちの変化などを医師とともに考え、早期に対処ができるようにします。

パニック障害

主な症状
  • 飛行機や新幹線に乗れない。
  • 満員電車や人混みが嫌い。
  • 飛行機に運転中に、トンネルや渋滞にさしかかると逃げ出したくなる。乗れない。
  • 動悸を感じたり、脈拍が増える
  • 過剰に汗をかく
  • 身震いや震えがでる
  • 息苦しさや息切れ感がでる
  • 突然、激しい恐怖や強烈な不快感を感じる
  • 突然、死ぬことに対する強い恐怖を感じる

特別な状況や環境に関連なく発生し、突然強い恐怖や不快感が襲ってくる(パニック発作)病気です。発作は前兆なく思いがけない時に起こり、それが反復することが特徴です。
パニック発作は動悸を感じたり息苦しく感じたりするだけでなく、死んでしまうかもしれない、叫びたくなるような苦痛を伴う症状のため、「また発作が起こるのではないか」「発作によって人前で取り乱してしまうのではないか」という不安(予期不安)が生じます。
予期不安はパニック発作を繰り返すごとに強まるため、パニック発作を避けようとして慣れない場に行くことを避ける、初めての状況を避ける、多くの人がいる場所や簡単には出られない電車の中などにいると不安になる(広場恐怖)などが生じ、生活行動が制限され日常生活の質を低下させてしまいます。

薬物療法

主に抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の内服による治療を行います。予期不安によって表れる不安が強く、日常生活に支障がある方やパニック発作に対しては抗不安薬を併用し治療していきます。
お薬は患者さまの状態にあわせて選択します。少量から開始し、症状の変化や副作用の有無を経過観察しながら量を調整していきます。
お薬の種類や量に関しても患者さまと相談をしながら治療を行っていきます。

精神療法

医師と話をしながらパニック発作が起きた時の状況整理をしたり、その際の感情の動きについて考えていきます。また問題となっている症状を維持させている不適切な考え方や、症状を回避させるために行う行動に焦点を当て、修正できるように医師と一緒に考えていきます。

社会不安障害

主な症状
  • 人前で話が出来ない。頭の中が真っ白になる。声が震えてしまう。
  • 人前で字を書こうとすると手が震えて書けない。
  • すぐに赤面してしまう。
  • 電話に出られない。
  • 人前で異常に緊張する。
  • 人前で動悸がして、息苦しくなる。

大勢の人前での発表が緊張する、初対面の人と話をするのが恥ずかしい、などは誰もが経験することです。しかし、ほかの人から注目される場面などに対して顕著で強い恐怖や不安を感じ、そのような状況を避けたり、あるいは強い苦痛を感じながらも無理に耐え、日常生活に支障をきたすような場合は社会不安障害の可能性があります。
苦手な状況で振舞うときに恥ずかしい思いをするのではないか、自分が不安で緊張していることで拒絶・批判をされるのではないか、などと恐れを感じ、時にはパニック発作が起こることもあります。

薬物療法

主に抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の内服による治療を行います。不安が強く、日常生活に支障がある方やパニック発作がある方には抗不安薬を併用する場合もあります。
また、本来は血圧を下げる薬などとして用いられるβ遮断薬(循環器系のお薬)は、交感神経が過活動になることで生じる動悸やふるえ、赤面、発汗などの症状を緩和する効果があります。そのため、これらの症状が強い方にはβ遮断薬を併用して治療を行います。
お薬は患者さまの状態にあわせて選択します。少量から開始し、症状の変化や副作用の有無を経過観察しながら量を調整していきます。

精神療法

どのような状況で不安を感じてしまうのか、症状が出るのか、医師と話をしながら整理をしていきます。そしてなぜ不安を抱えてしまうのか一緒に考えていきます。
社会不安障害をもつ多くの方は、他者の意見や評価に対して過剰に関心をもっていたり、“自分が他者よりも未熟だから、上手くできない”などの過剰にネガティブな評価を自分に対して向けている傾向があります。
そのような認知の偏りや歪み,ネガティブな思考をみつけ、柔軟な考え方や対処を一緒に考えていきます。

強迫性障害

主な症状
  • 戸締りや火の元が気になり、外出できない。
  • 何度、手を洗っても気が済まない。

強迫観念(自分では不合理と知りつつも、自分の意思に反して繰り返し浮かんでくるいやな考え)と強迫行為(強迫観念を少しでも和らげるために繰り返し行われる行動や心の中の行為)を主症状とします。
抑えようとすると強い不安が起こります。
強い不安や恐怖、こだわりがあることで、“やりすぎ”ともいえる考えや行動を止めることができず、日常生活に支障が出ている場合には強迫性障害の可能性があります。

強迫観念
「家の鍵を閉め忘れたのではないか」という観念が繰り返し心に浮かび、「鍵を閉めたはずだ」と頭ではわかっていても「泥棒が入ったらどうしよう」と不安が募る。

強迫行為
「部屋中の鍵の施錠を何度も確認する」という行動の行為や、「心の中で言葉を繰り返す」「心の中で祈る」などの心の中の行為が起こる。

薬物療法

主に抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の内服による治療を行います。
症状によっては抗うつ薬は効果がなく、抗精神病薬や抗不安薬が有効である場合もあるため、患者さまの状態に合わせて選択します。少量から開始し、症状の変化や副作用の有無を経過観察しながら量を調整していきます。

精神療法

医師と話をしながら、強迫観念が現れたときの別の対処法を考えたり、曝露反応妨害法(意図的に強迫観念が現れる状況に立ち向かい、不安を軽減するための強迫行為をあえてしないこと)のステップをハードルが低いものから段階的に考えていきます。
曝露反応妨害法は不安や恐怖に耐えなくてはならないため、強い苦痛を伴うことがほとんどです。日常生活への支障の程度、症状の頻度、患者さまが抱える不安や葛藤などの経過を追いながら治療を進めていきます。

睡眠障害

主な症状
  • 眠れない日が長く続く。
  • 疲れているのに眠れず日常生活に支障が出る。

睡眠障害は、睡眠の量的な障害と睡眠の質的な障害に大きく分けられます。
代表的なものとして入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠困難などが挙げられ、それぞれの症状によって睡眠薬を使い分けます。
また睡眠障害は、うつ病や双極性障害などでもみられる症状のため、それらの疾患の有無も鑑別して治療を行います。

入眠困難
ベッドに入って寝付くまでの時間が延長し、30分以上経過しても寝付けない状態
中途覚醒
夜中に目が覚めてしまう状態
早朝覚醒
起きる予定時間よりも早く目が覚めてしまう状態
熟眠困難
睡眠時間は十分とれているが、ぐっすり眠れた感じがなく、起きるのが辛い・目覚めが悪い状態

薬物療法

主に睡眠薬の内服による治療を行います。
どのように睡眠が障害されているのかによって睡眠薬の種類を選択していきます。
少量から開始し、症状の変化や副作用の有無を経過観察しながら量を調整していきます。

精神療法

睡眠障害が引き起こされるようなきっかけがあったのか、医師と話しながら原因を考えていきます。また、患者さまの生活環境や症状を伺い、良い睡眠が得られるような生活環境の整えについても一緒に考えていきます。

過敏性腸症候群

主な症状
  • 突然お腹がゴロゴロしてトイレに駆け込むことが多い。

腸が精神的ストレスや自律神経失調などの原因で刺激に対して過敏な状態(腹痛がおきたりや調子が悪くなるなど)になり、便秘や下痢などの便通異常(排便回数や便の形の異常など)が続く状態をいいます。腸管に器質的な病気がないことが前提です。症状によって①便秘型 ②下痢型 ③交代型 に大きく分類されます。

① 便秘型
腹痛を伴うことが多く、お腹が張って苦しいが排便しても出ない、あるいは出ても小さな便しか出ない。
② 下痢型
少しの緊張や不安を感じると便意を催し、激しい腹痛の後、下痢便が出る。
(朝起きてすぐ、朝食後、電車の中、出かける前などが多い)
③ 交代型
便秘と下痢を繰り返す。便通の異常以外に腹部膨満感、吐き気、排ガス、頭痛、食欲不振などを伴う場合もある。

薬物療法

便秘や下痢の症状を改善するために、腸内で便の水分バランスを調整するお薬が使われます。また、下痢型の方に対しては脳からの過剰な刺激が大腸に伝わるのを抑えて下痢を防ぐとともに、大腸の痛覚が脳に伝わるのを抑える効果があるお薬を用います。便秘型の方に対しては、大腸の中で水分を引き留めて便が硬くなりすぎるのを防ぐために下剤を用います。
精神的な緊張や不安が強い場合には抗うつ薬や抗不安薬を併用し、治療を行います。

精神療法

患者さまの生活背景を伺いながら、日常生活上での注意点について一緒に考えていきます。また発症原因の1つでもあるストレスについて、医師と話をしながら分析を行い、ストレスに対する軽減・解消のための考え方や気持ちの持ち方について考えていきます。

※過敏性腸症候群は食事面・生活面を気をつけることで、症状が軽減することもあります。

食事面での注意点
  • 暴飲暴食は避け、腹八分を心掛ける。
  • 即席のものやファストフードなどは控える。
  • 野菜や果物など食物繊維やビタミンが含まれているものを摂取する。
  • 水分不足による便秘を防ぐため、水分を十分とる。
  • 冷えすぎた飲料は控える。
生活面での注意点
ストレスを全く受けない状態にすることは、不可能に近いです。ですが自分にとって何がストレスなのか、そのストレスの原因は何か、分析をしてみることでストレスに対する捉え方に柔軟性がでます。またストレス軽減・解消のための自分の性格について改めて考えてみたり、自分がストレスフリーでできる物事は何か考え、自分なりのコントロール法を見つけましょう。

ストレス外来

慢性疲労/強いストレス/疲れた心と体

病気とまでは言えないが、強いストレス・忙しい仕事、疲れた体と心…
このままでは“病気”になってしまいます。
そのような方には、現代医学によるさまざまなサポートをいたします。

カウンセリング

人間関係の悩み/性格的な悩み/日常生活の悩み

自分のあり方を見つめなおし、新たな自分に出会うきっかけをさがしましょう。


内科

内科では風邪や腹痛などの一般内科,生活習慣病(高血圧症,糖尿病,脂質異常症など)に対応しております。

一般内科

風邪や腹痛、花粉症やアレルギー性鼻炎、貧血などに対応しております。

※当院では、新型コロナウイルスの抗原検査を実施しております。ワクチン接種は行っておりません。

このような症状がみられた場合はご受診ください。

  • 発熱
  • 咳,鼻水,喉の痛み
  • 腹痛
  • 下痢,便秘
  • 吐き気,嘔吐
  • 頭痛
  • 立ちくらみ
  • 動悸

など

生活習慣病

生活習慣病は多量の飲酒,偏った食事,喫煙,過剰なストレスなどの生活習慣が原因となって起こる疾患です。

※専門性の高い検査や入院治療などが必要な場合は、専門医療機関にご紹介させていただきます。

健康診断等で下記の異常を指摘された場合はご受診ください。

  • 高血圧
  • 高血糖/糖尿病
  • 脂質異常症
  • 高尿酸血症
  • 肝機能異常

など

(1)高血圧
収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上の場合、もしくは両方該当する場合は高血圧と診断されます。
症状は基本的に無症状のことが多いですが、頭痛,めまい,耳鳴り,肩こりなどが挙げられます。
高血圧は自覚症状がみられにくいため放置されてしまうことが多いです。しかし、高血圧状態になると心臓から血液を送り出す際に負荷が増え、血管壁に過剰な圧力がかかるようになります。それにより血管壁が脆くなり血管障害を引き起こします。血管障害によって動脈硬化が進行すると、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、腎不全、眼底出血などの発症リスクが高くなります。そのため、定期的な検査、早期治療が大切です。

(2)高血糖/糖尿病
インスリン(血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませ、血糖値を下げる働きをするホルモン。膵臓で生成される。)が不足したり、働きが悪くなることで血液中のブドウ糖が異常に多くなる病気です。
糖尿病にはⅠ型とⅡ型があります。
Ⅰ型:
免疫異常などにより膵臓の細胞が破壊されてインスリンが作られなくなり高血糖になってしまいます。生活習慣とは関係がありません。
Ⅱ型:
食べ過ぎ、運動不足、ストレス、加齢などの生活習慣が主な原因として挙げられます。インスリンは作られていても、量が不足したり、上手く働かなかったりすることで高血糖になってしまいます。

Ⅱ型糖尿病は食事や運動などの生活習慣の乱れによって発症するため、食事療法及び運動療法が治療の基本となります。

高血糖・糖尿病は初期の段階では自覚症状はほとんどありません。そのため、何も治療をしない方が多いのが現状です。
進行すると喉が渇く、飲み物をたくさん飲む、たくさんおしっこが出る、全身倦怠感がみられます。さらに進行すると、食欲があるにもかかわらず体重減少が続くなどの症状がみられます。
糖尿病は放置しておくと血管を傷つけ、合併症を発症させます。とくに細く小さい血管は傷つきやすく、細小血管が集中している末梢神経、網膜、腎臓などでは糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症の三大合併症を起こしやすいです。
また大きく太い、大血管も動脈硬化を起こしやすいため、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞などの合併症を発症するリスクも高くなります。そのため、定期的な検査、早期治療が大切です。

※当院ではⅡ型糖尿病の診療のみ行っております。

(3)脂質異常症
血液中の脂質には中性脂肪(トリグリセリド),コレステロール,リン脂質,脂肪酸があります。
そのうちの中性脂肪,LDLコレステロール(悪玉コレステロール),HDLコレステロール(善玉コレステロール)の値が下記に該当する場合、脂質異常症と診断されます。

  • 中性脂肪(トリグリセリド):150mg/dL以上
  • LDLコレステロール(悪玉コレステロール):140mg/dL以上
  • HDLコレステロール(善玉コレステロール):40mg/dL以下

症状は基本的に無症状のことが多く、放置されやすい病気ですが、特に血液中のLDL コレステロールが高い状態が続くと血管が傷つけられ、動脈硬化が進行して心筋梗塞や脳出血、大動脈瘤などを引き起こすリスクが高くなります。そのため、定期的な検査、早期治療が大切です。

(4)高尿酸血症
食べ過ぎや運動不足、ビールや卵、肉、魚などに含まれているプリン体の摂りすぎなどが原因で、血液中の尿酸が異常に多くなった状態(尿酸値:7.0mg/dL以上)をいいます。
高尿酸血症は基本的に無症状のため、放置されやすい病気ですが、高尿酸状態が続くと、痛風、尿路結石、腎障害などを引き起こすリスクが高くなります。そのため、定期的な検査、早期治療が大切です。

症状は基本的には無症状です。しかし痛風を発症すると、足(特に親指の付け根)、膝、肩、肘、手などの関節に激痛が生じ、赤く腫れます。初めは一過性で治まることがほとんどですが、繰り返すごとに痛みの持続時間が長くなり慢性化します。

(5)肝機能障害
何らかの原因で肝臓が障害を受けて炎症が起こり、肝臓の細胞が破壊されることで、血液検査で肝機能の異常値を示すことをいいます。
原因はウイルスによる肝炎や、アルコールの過剰摂取によるアルコール性の肝障害、薬の内服による薬剤性の肝障害など様々です。
また、糖尿病や高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病がある方は、肝機能障害を発症するリスクが高いです。
初期では症状が出ないことがほとんどです。進行すると全身倦怠感、嘔気、黄疸(皮膚が黄色くなる)、皮膚のかゆみ、むくみ、食欲低下などの症状が出現しますが、このような明らかな症状がみられる場合はかなり進行している可能性があります。早期発見・早期治療のためにも定期的な検査が大切です。


生活の質(Quality of life)外来

現在の日本は、世界で1~2位を争うほどの長寿大国ですが、平均寿命(何歳まで生きられる)と健康寿命(何歳まで元気でいられる)との間には、残念ながら10年程度の差があります。この健康寿命を延長することを目標としてこの外来を設けております。

プラセンタ注射

(1)プラセンタ注射:ヒト胎盤由来のプラセンタを使用いたします(男・女)
¥1,200+予約管理料/1回
使用薬剤:ラエンネック(株式会社 日本生物製剤製)
※厚生労働省から肝機能改善・肝組織回復の機能を承認された薬剤

人の胎児を成育させる作用を持つことから、肌の改善・若返り等が期待されますが、肌の改善・若返りなどは厚生労働省から承認された効能とは異なる事をご了解ください。
当院では正規の国内の医薬品卸売事業会社から、納品された薬剤のみを使用しております。類似薬剤としてはアルコールが混ざったメルスモンがあります。

副作用:ラエンネックの副作用としては、注射部位の発赤、疼痛、肝機能障害(AST,ALTの上昇)などが有ります。
当院では予め肝機能を調べてから治療をはじめ、肝機能に問題があると思われた時にはすぐに検査をして、肝機能を調べます。
また、ヒト組織由来の蛋白・アミノ製剤であるため、ショックを起こすことがあり、その場合にはすぐに当院までご連絡下さい。

使用薬剤について:ヒト胎盤由来の製剤であるため、原料提供者への医師によるウイルス等感染チェック、工場受け入れ後に、B型肝炎、C型肝炎、エイズ、成人T細胞白血病等が、陰性であることを確認してから出荷されています。製造元の株式会社日本生物製剤によると、1974年の使用開始以来、2023年現在までラエンネック投与による感染症の報告はないとされています。
しかし、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病等の感染症の伝播のリスクが完全に否定できないため、輸血をすることが出来なくなります。
4週間に1度程度、筋肉注射による治療を行います。

エナルモン注射

(2)ホルモン注射―男性ホルモンを使用します(男性)
¥3,000+予約管理料/1回
使用薬剤:男性ホルモン・エナルモンデポ(あすか製薬株式会社)

※厚生労働省から類(るい)宦官(かんがん)症候群(しょうこうぐん)(声変わりやヒゲなどの男性特有の二次性徴が発来しない病気です。)の治療薬として薬剤承認された薬剤
薬剤は正規の国内の医薬品卸売事業会社から納品されたもののみを使用します。

年齢を重ねるにつれて、睾丸が委縮して男性ホルモンの産生が少なくなります。
このため、男性更年期障害とも呼ばれる症状が出る方がいらっしゃいます。性的活力の低下、筋肉がつきにくい、新しいことにチャレンジするのを躊躇い、これまでの枠に閉じこもってしまう。そのような症状については、男性ホルモン・エナルモンデポ(あすか製薬株式会社)250mgを2~4週間に一度筋肉注射をすることで、改善が期待できます。

副作用:
前立腺肥大の増大や前立腺がんの悪化がありますので、採血による前立腺の検査をしてから治療を開始いたします。一般的な副作用としては、回復しがたい嗄声、多毛、陰茎肥大、性欲亢進があります。

痩身療法

(3)痩身療法
¥80,000+消費税/1回

使用薬剤:ビクトーザ(ノボノルティスク ファーマ株式会社製)
スーグラ(アステラス製薬株式会社製)

※共に糖尿病治療薬として、厚生労働省から認可済みですが、日本では痩身治療での薬剤適用としての承認はされておりません。薬剤は正規の国内の医薬品卸売事業会社から納品されたものを使用しております。

食事をした後に小腸から分泌される、GLP-1というホルモンがあります。このホルモンは食べた物が消化管内にとどまる時間をコントロールします。食べ物が長くとどまれば、お腹が空かないので、食事の量が減ります。太りにくい人はGLP-1の分泌量が多く、逆に太りやすい人は分泌量が少ないという事も考えられます。そう考えると、GLP-1の体内での量を増やせばお腹が空かず太りにくく、痩せやすくなるはずです。
この考えから、当院ではGLP-1の注射よる痩身療法を行います。また、体内から余分な糖分を排泄する錠剤も同時に投与します。一般的には半年程度で目標体重に到達して治療完了になる方が多いです。
通常のダイエットは空腹感を我慢する必要があり辛いものですが、食欲が小さくなることで我慢の必要性がとても小さくなるのです。

注射針は髪の毛2本分くらいの細いもので、個人差はありますが比較的痛みはとても少ないです。使用方法や手順は事前に医師が直接お教えして、実技の体験をしていただきます。

副作用:
ビクトーザの副作用として一番大きなものは、過剰な量を注射する事による、低血糖症状です。また、アメリカの『the NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE』(JULY2,2015,VOL.373 MO1)の文献によると、6.2%の方が治療開始後に軽度~中等度の悪心、下痢をおこしたというデータがあります。
スーグラの副作用として、ふらつき、脱力感、空腹感、手足の震え等があります。
受診時にはその危険性をご説明して、加療な注射をしないという誓約書も頂戴いたします。また、緊急時に対応できるよう医師の携帯電話番号をお教えいたしますので、ご安心ください

Q&A

どの程度の体重減少が期待できるでしょうか?
医学雑誌の記事を引用します。

1,『the NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE』
63.2%の患者さんが5%以上の体重減少をおこし、
33.1%の患者さんが10%以上の体重減少をおこした。
(JULY2,2015,VOL.373 MO1);アメリカの医学雑誌

2,『LANCET』
平均的な体重減少は薬剤の使用量1.2㎎~3.0㎎に従って、
4.8㎏~7.2㎏の体重減少をおこした。
(Published on line October 23,2009)イギリスの医学雑誌

もちろん欧米と日本では食事内容その量、また体格が違います。さらに用いる薬剤量に違いがありますが、これらの論文からはこの療法に効果があることが認められます。

この薬剤は糖尿病治療として用いられるものですから、医師の指導と監督の下に行われるべきであり、当院では定期的に通院していただき必要な諸検査を行い、治療を施行しております。

治療は、必要な血液検査を行い、全身状態を把握した後にビクトーザの最小容量0.3mgの注射から始めます。その後は1週間以上の間隔で0.3mgずつ注射量を増やしていきます。
最大1.8mgまで増量します。その後は副作用が無いことを確認しながら、目標体重を目指して治療を継続していきます。

期間 用量
1週間目 0.3mg
2週間目 0.6mg
3週間目 0.9mg
4週間目 1.2mg

※最大量の1.8mgまで増量していきますが、症状や副作用により適宜調整します。