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雨や気圧と心の関係

 2017/06/30

長い花粉症の季節も終わりました。私はヒノキ花粉によるアレルギーも持っているので、最近までくしゃみで悩んでいました。
正直にお話すると、患者さんと一緒に花粉が入って来ることが在り、そんな時には患者さんと向かい合った途端にくしゃみが出てしまうことが在ります。
「あれ、先生何でくしゃみをするの?」
「ご免!、ヒノキ花粉にアレルギーがあるんで!」
これに対する彼女の res が good !
「ヒノキ花粉のアレルギーってエリートっぽい! 私はスギ花粉だから庶民的な感じ、ヒノキ花粉のほうが格好良い、変わらないかな ?!」
もちろん二人で大笑いをしました。

梅雨に伴う湿度の高さは、身体に汗がまつわりつくようで不快ですね。
気圧の変化が健康状態に変化を起こすことは良く知られています。
気圧の谷間が通過して、これから雨が降るようなときに、喘息発作を起こされる患者さんが多いです。
当直をしていた若い頃、ベテラン看護師さんと話していたら「喘息の急患が来そうな天気ですね。」と言われ、確かにその夜2名の喘息患者さんが救急受診、忙しい思いをしました。
ベテラン看護師さんとは大したものだと実感したことを思い出します。

雨は憂鬱ですね、でも “晴耕雨読-晴天の日は農耕、雨の日は読書-の意味” で行きましょう、東洋的知性-悠々自適の生活素敵です!
“巷に雨が降るごとく、わが心にも雨ぞ降る-ヴェルレーヌの詩の一節”
なんて嘆くよりも、わが心に差し込む季節の移ろいを感じ取り、細やかな日本人の感性を楽しみましょう。

何だか騒然とした世間ですが、“雨降って地固まる” となると良いですね。

花粉症

 2017/03/01

今年もやって来ました、花粉症の季節、目の周りのむず痒さと鼻水は、医師としては体裁の悪いもので、私も毎年対策を取っています。

今では誰でもが知っている花粉症ですが、日本でこの診断名が使われ始めたのは比較的最近のことで、一般の人が花粉症という言葉を目にしたのは40~50年ほど前からだと思います。

子供の頃に体が弱く、しょっちゅう風邪をひいては学校を休んでいた私ですが、小学校5年の頃に、ある不思議なことに気が付きました。
それはある日のこと、私がくしゃみをしていたら母が、「風邪を引いたんだからお休みしなさい」と言います、私は最近気が付いたことを母に言いました、
「お母さん、僕は風邪じゃないと思うよ、これから悪くなりそうな感じが無いもん、今日は学校に行っても大丈夫だと思う」
母は不思議そうな顔をしましたが、「じゃあ、行っても良いけれど悪くなったら帰ってくるのよ」と送ってくれました。

何度も何度も風邪を引いた私は、風邪の症状の変化をすっかり覚えてました。
嫌な感じから段々と頭が痛くなり熱が出てくる。何日かして熱が引きやがて回復。
ところが、それ以外に、始まりは同じですが何だか、“悪くなって行きそうな感じがしない” 病状が在ります、
母に反論したのはまさにそれを言いたかったのです。
まだ、花粉症と言う言葉が一般に知られる前のことでした。
ずっと後になって、この話をした時の母の述懐でした。
「変な事を言うと思ったけど、あなたはお医者さんに向いていたんだ」

最近は良い薬がたくさんありますが、かつては困りものでした。
症状を抑える、抗ヒスタミン剤を服用すると、その副作用の強さで参りました。
大学病院で外来をして居た頃、「先生、何か良い花粉症の薬は無いですか?」と尋ねられると、「残念ながら在りません」と答えていました。
愛想の良い私がそんなぶっきらぼうな返事をすると、患者さんは驚いて、「先生、そんな冷たいこと言わないで出してくださいよ!」と言われます。
その答えが「僕も花粉症なのだけれど、薬を飲むと副作用のだるさで仕事が出来なくなるので飲んでいないんです」と言うものでした。

毎年、眼科と耳鼻科の友人に、「最新の花粉症治療を教えて!」と尋ねて、最新の治療をするように(患者さんにも自分にも)心がけています。

最近は、点眼・点鼻で症状を押えて、どうしても堪らない時にだけ、内服薬に頼ると言うのが私のお勧めです!

本当に嬉しい出来事

 2017/02/23

あまり寒くない土曜日の午後でした、受付から、「患者さんでは無いんですが、患者さんがご面会です」と連絡がありました。
予約リストにもお名前の無い方で、予想がつきません。
良くなられた方がまた悪くなられたのなら、患者さんとして予約をされる筈ですし、どのような方が来られたのか全く分かりません。

そして、驚きと喜びが飛び込んできました。
1年ほど前に治療が終わられたAさん、眼のぱっちりした可愛いお子さんを抱っこされて、ご主人と診察室に入ってこられました。

輝くような笑顔で、「半年になりました!」とお子さんを紹介してくださいます、「はい、お土産」とお茶菓子をくださいます。
優しそうなご主人が少し後ろから、「その節はお世話になりました、親子共々元気にしています」と仰います。
こちらも満面の笑み、何とも良い表情をされて居られます。

嬉しくて、感激して、涙があふれそうでした。
寂しげに俯いていた初診の時の彼女の姿を思い出します、少しずつ確実に良くなられ、彼氏が出来たらドンドンと良くなられて、当院で言う “卒業” をされました。
その彼女がお子さんを抱かれて、「先生にお会いして、ご報告とお礼を言いたくてよりました」と尋ねてくださったのです。

特別なことをしたわけでは在りません、初診時はとにかく聞くことに集中して、診断、治療方針、薬剤の効果と治療の全体像をご説明する。毎回、前回からの変化を伺ってお薬を処方する。
安定されたことを確認して、ご本人にも自信が出来てから、薬を次第に減らして、治療完了にいたる。
当たり前のことを、きちんとやっただけのことです。
彼女は、とても真面目な方で、何時もきちんと服薬をしてくださいました。

「可愛い子供を抱いた、若い人妻ほど美しい物は無い」
ロシアの作家が書いていたのを思い出します。
若いご夫婦の幸せと、その真ん中のお子さん。
これほど、幸せを感じさせてくれるものは在りません。

EUの解体? あの大統領、核実験に領海侵犯、惨たらしい暗殺事件、嫌なニュースばかり。
錦織選手が1回戦で負けてラケットを壊した !?

「紅旗征戎わが事にあらず」などと言う立場にはまったく居りませんが、嫌なニュースや世間への心配はとりあえず傍らに押しやり、Aさんからいただいた誇らしく嬉しい思いを胸に抱いて、もうすぐやってくる春を静かに待つことにします。

Aさん、本当に有難う!

怠慢でご免なさい

 2017/02/14

短期間で更新するとお約束をしたのに、また長い時間が経ってしまいました。
申し訳ありません、今度こそ頻回の更新をいたします!

しかし、山陰地方の大雪に至るまで、とてつもない冬ですね、社会の大きな変化と天変地異は連動するという説を何度か眼にしました。
浅間山の天明年間の大噴火が徳川幕府の滅亡の遠因である、等の説ですが、大雪のニュースを視ていると何だかこの説が本当ではないかと思えてしまいます。

まさかのトランプ大統領、「アメリカは世界の警察官であることを辞める」との宣言には深刻な恐怖を感じました。
太平洋戦争に敗れ、無条件降伏し、焼け野原となり経済の基盤を失ってしまった日本、その再建を支えた考え方の一つに、「軍備を最小限に留め、経済再建に集中する」と言う、吉田ドクトリンがあります。
この考え方の根幹は正しかったように思われます。
アメリカが世界の警察官を辞めたら、日本の将来は核武装をするか、中国の言いなりになるかしかないのではないでしょうか。
どちらも在りえない、そんなことは勘弁して欲しいのが、多くの日本人の本音でしょう。
幸いにして、日本政府の素晴らしい働きで、日米安保は堅持されそうで一安心、核武装は無し、尖閣諸島から沖縄まで中国に占領される事態もなさそうです。
でも、これから行われる、フランスやイタリアの大統領選挙次第では、EUが崩壊し、それをきっかけに、アメリカを含む世界のブロック経済化が進む可能性があります。
トランプ大統領はAmerica firstと何度も唱えています。
メキシコに高い関税をかけたり、壁を造る、TPPは脱退しNAFTAも見直す、これはまさにブロック経済化と言えるでしょう。
ブロック経済化の果てに、あの戦争が在りました。

第二次世界大戦の反省に立って、継続された平和と発展の方策=それによって東西対立は終わり、その後には『歴史の終わり』が来る筈でした。
しかし、東西対立によって閉じ込められていたイスラム原理主義が爆発し、テロと難民問題が起こり、戦後秩序の根底を揺るがせています。これに加えて中国の膨張主義と北朝鮮の核が世界を威嚇しています。

言い古された民主主義、自由貿易、国際化等の言葉の大切さを痛感します。
国家制度も人の心も、内側を向いて閉ざされるのではなく、外側に向け開いて行こうと言った考えは、素晴らしいものです。

長い冬にも必ず暖かい冬がやって来ます、夜明け前の闇はいちばん深いとか。

全てを癒してくれる春の陽射しが、ささやかな日常を照らしてくれるように、世界の行く先をも照らしてくれるよう願わずにはいられません。

インド料理とカレイのお話

 2016/08/22

ロンドンのヒースロー空港で入国手続きに並んでいた時のことです。
長くてちっとも進まない行列にしびれを切らしたのでしょう、列の前の方で何やら文句を言って居る声が聴こえました、アラビア語のような言葉で大声で苦情を言っています。
その直後、突然現れた兵隊が2名、物凄い雰囲気でそちらに走って行きます、手には機関銃を持ち、何時でも打てるように引き金に指をかけていました。
それから何が起こったかは見えませんでしたが、どうやら無事に終わったようでした。
しかし、息をのむとはまさにあの感じ、自分の見て居る事が現実とは思えませんでした。
無事に入国した後になっても、世界がテロに身構えている現実を突き付けられたようで、何とも重い気持ちが残りました。

最近のmodern british cuisineは美味しいそうですが、過去の体験から疑り深い私は、お馴染みのインド料理を夕食とする事に決めました。
ホテルの推薦で初訪問、インド料理とはこんなにも美味しく多様性のある物かと感動し、それ以降ロンドンに行くと、どうしても寄りたくなるお店です。
日本人の知るカレーの匂いがするのはラムのお皿のみ、すっきりした料理の後はこってり、冷たい料理の後は暖かい料理、味と香りのバランスを考え抜いたコースに、やっぱり来てよかったと満足しました。

さて、カレーの話では無く、加齢のお話です。
何も運動をせずに過ごすと30歳代から70歳代にかけて、人体の筋肉量は半分に減少するそうです。
筋肉は寝ている間にもカロリーを消費してくれますから、筋肉量が半分になればカロリー消費が半分になる、つまり同じ量を食べてもドンドン太ってしまうことになります。
以前は何気なく出来た動作が億劫となり、ショーウインドーに映った自分の歩く姿に愕然とする、そうなると大きく気分が落ち込んでしまいます。
でも、安心してください、筋肉はたとえ80歳代になっても運動すれば発達します、後ろ向けに転んでしまうリスクを避けるため、部屋の角を後ろにしてスクワットでも試されてはいかがでしょうか。
元気で美味い物を食べるために!

グルメの友人たちと、シュークリームの中にクリームの代わりに何を入れて食べたら美味いだろうかと話していたら、ある提案が在りました、
「固めに調理したカレーを詰めたら美味いんじゃないか?」
この提案は直ぐに否定されました
「どこの変わり者が、カレーシュー(=加齢臭)なんて頼むんだよ?」
シャワーもまめに浴びる事にいたしましょう。

希望・絶望・安全・未来

 2016/07/26

フランスより南は危険ですよという事情通の言葉を信じ、ドイツの学会に行ってきました。
ベルリンは平和そのもので、きちんと治安が守られているかのように感じました。

ところが、列車の中で刃物を振り回す事件の後に、無差別銃撃で何人もの方が亡くなると言った事件が起こり、ショックで言葉がありません。
安全では無く、単に運が良かっただけなのでしょうか。

学生時代からヨーロッパが好きで、何度も貧乏旅行を繰り返してきましたが、当時は本当に平和でした。
世界中から観光に訪れた大勢の学生が和気藹々と、ヨーロッパの名所を廻っていました。
予算が不足してきたら、夜汽車で眠って宿泊代金を浮かせる事は当たり前で、何の不安も感じることなく列車の中でぐっすり眠ったものです。

こんなことを言ってはいけないのかも知れませんが、ある時期からヨーロッパの大都市に暮す非白人系の人々が増えました。
例外はありますが、その多くがいわゆる3K労働に従事しています。
日本人より彫の深い彼らの顏からは、その内面性が透けてくるように感じます。
希望の持てないやるせない顔、自分は一生このような仕事しかできないのかと言った空しさと侘しさ。
私には彼らの内面がそのように感じられてなりません。
そのような暮らしの中で、狂信的な若者が増えることは何となく解るように感じます。
若いということは将来に夢を持つていることと、ほとんど同義です。
将来の夢が無ければ若さは暴発してしまうのではないでしょうか。

非白人系と言っても、全く対照的なのが、アフリカの新興国から留学しているエリート達です。
明治時代の国費留学生とでも対比できるのでしょうか、優秀さが見て取れるはっきりとした表情の中に、ヨーロッパの一流大学で学んだ知識を自分の国の役に立てると言う目的持っている、彼等の顏は希望で輝いています。
非白人系であること、それ自体が問題ではないと思います、やはり努力と献身の先に夢があるかが問題なのではないでしょうか。

中東の大きな範囲で、国境が無くなってしまいました。政府が国家をコントロールできません。
世界中で非難された独裁者たちが排除されたと言うのに、その後には行方の見えない殺し合いばかりが続いています。
大好きなトルコにも恐らく2度と行くことは出来ないでしょう。

厳しい状態にある病人たちを、今も多くの医師たちが懸命に支えています、1日でも1時間でも良い時間が長くなるよう、全力を尽くしています。
文字通り寝食を忘れて患者さんたちのために働いています。
命とはそのように尊い物だと確信しています。

元気な若者たちが殺し合い、何も知らずに過ごしている人たちにいきなり銃が発射される、このような事態が少しでも早く終わることを願っています。

でも、何をどうすれば良いのでしょう、何冊本を読んでみても何をネットで調べても判りません。

どこかに希望の光を見たいものです。

抜き捨てることが出来なかった、名も知らぬ花

 2016/06/22

携帯が起床時間を告げると、愛犬がベッドに飛び乗り早く起きろと催促する。
その前からこちらの雰囲気をうかがい、早く起こしたくてウズウズしているのを知り、知らぬ顔で寝ているのだから、こちらも少し意地が悪い。

まずは、朝食。夕食ではなにか “おかず” をいただけることも多いのだが、朝食はドッグフードだけ、少し気の毒になるようなドッグフード単味を、驚くような速さで平らげてしまう。そう、かれはまだ青年なのである。

平日朝のお散歩コースは決まっている。ほぼ20分、毎日通るコースなのに、何がそんなに気になるのか、かれは毎朝、何とも真剣に匂いを嗅ぎまわり、いかにも重大事というように、丁寧にマーキングをする。
環境汚染に成らぬよう、丁寧な回収作業をしております。

コースの途中に、綺麗な土手をつくりその上に趣味の良い柵を設けている、会社が在る。
誰でも知っている大会社、土手一つをとっても会社の品格があり、すっきりとした芝生が土手を覆っている。
ご近所の犬たちはこの芝生が大好きで、当然、マーキングの必須箇所となり、犬と犬とのマーキング合戦が毎日、飽くことなく繰り返されている。
互いの眼が逢ったと言って、ワンワン怒鳴り合いをしたり、犬どもがすっかり野生にもどってしまう場所である。

毎年、春になると、綺麗に芝が刈り込まれて新緑が何とも気持ちよいのだが、多くの野草がどこからともなく飛んできて、勝手に根をおろし、自生してしまう。
愛犬が、毎朝お世話になる場所であることと、雑草の下品な自己主張が嫌いで、目につく雑草は引き抜き、芝生の景観を保つお手伝いをしていました。

ところが、ある朝のこと、本当に控えめで細く頼りない雑草が背を伸ばし、その先端に、直径は1mmにも満たず、長さも2cm在るかないかのごく薄いピンクの花を咲かせたのでした。
風が吹けば、直ぐにも飛ばされそうで、雑草の持つ猛々しさなどどこにも在りません。
その儚げな姿に打たれました、この草はどうしても引き抜くことが出来ません、それどころか毎朝挨拶をし、元気な姿を応援したいような気分、強い雨が降った翌朝には心配でした。

その花が、先週末で散りました、細い雑草が重い責任を果たしたように、しかし、どこか寂しくなったように佇んでいます。
何かの旅立ちを見送ったようで、安堵と喪失の混ざり合った、不思議な気分です。

愛犬はそんなことに構いもせず、今朝も、おしりをフリフリ先を歩いて行きました。

私たちの心と古典文学

 2016/06/16

人は辛いことや悲しいことに逢うと、「どうして自分だけに、こんなことが起こるのか」と考えがちです。
とても立ち向かえないような困難や辛さ、悲しみに出会うと、自分の不運に打ちのめされて、どうしたら良いのか途方に暮れてしまいがちです。

私にもそんなことが在りました。
周囲の人は日常に安住して見えるのに、何で自分だけがこんな目に遭ってしまったのか、どうして自分だけにこんな試練が巡ってきてしまったのか、悲運を嘆いていました。

そんな時、ある先輩が言われたのです、「日本の古典文学を読んでごらん、日本人は二千年この方、同じような悩みと辛さを抱え、悩み苦しみながらも何とか出口を見つけ、答えを出して来た。それが判れば楽になるよ」

まさかと思いながら、あやふやになった古文の知識を手繰り寄せ、解説に助けられながら、古典の世界に踏み込んでみました。

先輩の言われたことは正しかったです。
何よりも勇気付けてくれたのは、沢山の歴史上の人たちが、形こそ違え同じ種類の悩みや苦しみを抱え、何とか方向を見つけて、勇気を持って歩き続けた事実です。
歴史上の人物が抱えていた問題と比べれば、私の抱える問題など、余りにも矮小です、でもどこかに通底する、問題に立ち向かう気概を共有できるように感じ、そこから自分だけではないのだと感じたことで、私は大きな勇気を得る事が出来ました。

古典の結末は決してhappy endばかりではありませんが、重い問題を抱えて、全力でそれに立ち向かった勇気と解決に向けて燃えつくす人生の清々しさが、印象的です。

一つの山を越えたと思ったら、次にはもっと高い山が聳えていた。
人生とは、そんなものかも知れません。

でも、多くの先達の経験に導かれて、先達に出来たことが自分に出来ぬはずがないと、頑張っていくことにも人生の醍醐味があるのでしょう。

何時までもあると思うな親と金、何時までもないと思うな運と災難。

これも、先達の知恵ですね!

仕事や学校を休んだ時に注意していただきたいこと

 2016/06/03

病状を総合的に判断して、治療に加えて休職や休学をお勧めすることがあります。
休職や休学をしている時の注意事項をお話します。

1. 昼夜のリズムを保つこと

仕事や学校を休むと、朝起きなければならない理由がなくなります。
寝て居たければ何時までも寝ていることが出来るようになります。
朝起きなければならない理由が無くなるということは、何時に寝てもどんなに夜更かしをしても良いことになります。

しかし、朝寝坊と夜更かしの生活で昼夜が逆転すると状態が悪くなります。
まず、人間の体には日内リズムがあり、朝は起きるように夜は寝るようになっています。
ですから、このリズムを壊すと、例えてみれば時差ボケを自分で作り出してしまうようなことになります。
明るくなればぐっすりとは眠れません、起きてみてもぐっすり寝た後の熟眠感が得られません。

更に、昼頃に起きて明け方に眠るような生活を送るようになると、仕事の都合で止むを得ずそうしている場合を除いて、“自己嫌悪” がやって来ます。自分の事が好きになれません、自分に対するイメージが低下してしまいます。
これはうつ状態を下向きに引っ張り回復の妨げになります。
逆に、少し早起きをすると、何となく清々しく、自分が立派な人になったように感じられるものです。

昼夜逆転は生理的にも精神的にも良くありません、ご注意ください。

2. 眠過ぎをしないこと

寝すぎると疲れることを御存じでしょうか、立っていたり、座っている場合には心臓は心臓より上に血液を押し上げれば、後は重力が助けになって血液循環が行われます。
ところが、寝ている場合を想像してください、高低差はほとんどありませんので、血液循環をするために心臓は孤軍奮闘します。
長い時間(10時間以上)寝て起きると、何となくふらふらして疲れたように感じることがあると思います。
このような場合、自分はまだ疲れているのだと誤解して、更に寝てしまい疲労感を増々深めてしまうことが在ります。

睡眠時間は10時間を超えないことをお勧めします。

3. 一日に一度は外出しましょう

失礼ながら、日本人で大邸宅にお住まいの方は、それほど多く在りません。
短時間でも結構です、一日に一度は外出してください。
狭い部屋に閉じこもっていると心も内側に向かって閉ざされてしまいます。

4. 仕事や学校のことは考えないようにしましょう

学生生活が長かったので、様々な生徒さんの家庭教師をしました。
どうしてもと頼まれて、不承不承引き受けたある小学生に言った言葉です。

「君は、僕が来て一緒に勉強をしているときに遊びのことを考えているでしょう。
逆に、遊んでいるときには、また先生が来て勉強しなければならないと考えているよね?」

「??……!!」

「そんな損なことは止めて、勉強しているときには勉強のことを考えて、遊んでいる時には、勉強のことなんか忘れたらどうかな?」

「先生、頭良いね、これからそうする!」

彼は希望の中学校に合格しました(笑)

せっかく仕事や学校を休んでいるのですから、それらの事はすっかり忘れて心を自由にさせてあげましょう、早く良くなる秘訣です!!

性同一障害とトランスジェンダー

 2016/05/25

最初に受診されたのは、有名なデザイナーさんでした。
分類すれば男性となる身体構造を持っておられますが、自己認識は女性。
小学校に上がる時には赤いランドセルを買って欲しかったし、スカート姿に憧れたそうです。

苦労されましたが、デザイナーとして成功され、豊かに暮らされています、素敵な彼氏もいて表面的には満ち足りた生活を送られています。

誰に聞いたとは言われませんでしたが、私が性同一障害に対して差別的な感情を持っていないことを知られて当院に通うようになられました。

経済的に安定され、生活面では何の心配も無いのに、心の奥に重い苦悩を抱えて居られます。

「私って、化物かしら?どんなに好きな人が出来たって、その人の赤ちゃんを生むことなんて出来ないし、私なんて生まれて来ない方が良かったのかな?」
そんなことを言われながら、何度も涙を流されます。

私は構造上も、自己認識も男性ですが、このような方の悩みは解るような気がしています。
何が好き、誰が好き、どのようなことが好き、それは言うまでも無く全く個人的な問題で、本人が決めることです。
他人が口を出すことではありません。お前は構造上男性だから女性を愛しなさい、女性だから男性を愛しなさい。
そんなことを、他人に対して言う権利は誰も持っていないと思います。

性同一性障害との言い方にも抵抗が在ります、本当に障害なのですか?
本人が障害と感じないでいるのを、他人が障害と決めつけられるでしょうか?

私は代わりに、トランスジェンダーと言う言葉を用います、心と身体の性別に違和感を感じると言った意味と捉えています。

一度しかない人生、あるがままで良いのではないでしょうか。

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